サウナブームの次に「寺活」が来ると確信している、「寺イク?」編集長のKENLOCKです。
前回の記事で、お遍路マスターの生き様に心を打たれた私ですが、今回はなんと、「宿坊」という言葉を日本に広めた寺活界隈のレジェンドにお話を伺うことができました!

レジェンド堀内氏
「宿坊」と聞いて、皆さんはどんなイメージを抱くでしょうか。なんとなくお寺や神社に泊まるものということは知っているでしょうか?
そう、宿坊…朝は早い、飯は質素、冬は寒い、そして何かと厳しそう…。 そんなイメージがありました。正直、「現代人の癒やしスポット」としては少しストイックすぎるのでは? と、内心ビビっていた私ですが、レジェンドの話を聞けば聞くほど、そのイメージはいい意味で覆されていきました。
好奇心の探究や究極のリラックス体験、他のアクティビティにはない大きな魅力が宿坊にあると感じられました。
それでは、早速、レジェンドに突撃インタビューです!
【登場人物】
- 堀内克彦氏: 宿坊研究会代表。株式会社寺社旅社長。著書に『宿坊に泊まる(小学館)』など。25年以上活動を続ける寺活界のレジェンド。穏やかだが、その知見は深淵。
- KENLOCK編集長: サウナに週8回通っていたが、寺活をして、週2回に落ち着いた。「宿坊=修行=キツそう」とビビる現代人代表。
◼︎【30秒で分かる】いまさら聞けない「宿坊」ってどんな場所?

インタビューに入る前に、そもそも「宿坊」とは何なのか。初心者代表の私が、レジェンドに基本的な定義を聞いてみました。
── (興奮気味に)レジェンド、今日はよろしくお願いします!そもそも「宿坊」ってどういう場所なんですか?
堀内氏: 基本的には「お寺や神社が運営している宿泊施設」のことです。ただ、その定義は実はすごく広いんです。 昔ながらの参拝者のためのシンプルな宿もあれば、最近ではホテルのような快適な設備が整ったところ、お寺体験が充実しているところ、民泊のようなスタイルのところまで、本当に多種多様です。私のほうでは広く「お寺や神社に関わりのある宿」としてまとめています。
── なるほど!「修行僧が寝泊まりするストイックな部屋」一択だと思っていましたが、もっと広くて自由な定義なんですね。これなら初心者でも自分に合った場所が見つかりそうです。
◼︎PART 1:いきなり失礼な質問をぶつけてみた。「修行」しなきゃダメですか!?
── 定義は分かりましたが、やっぱりまだビビってます。ずばり、宿坊って、やっぱり『修行』みたいな厳しいイメージがあるんですが…。
現代人が癒やしを求めて行くには、ちょっとストイックすぎるんじゃないかと。その辺り、ぶっちゃけどうなんですか!?
堀内氏:(穏やかに)なるほど。確かにそういうイメージを持たれる方は多いですね。でも、お寺だから、神社だからといって、厳しく知識を求められるとか、そういったことは特にないですよ。
── え、そうなんですか!?
堀内氏:はい。気楽に来ていただいて、せっかく行くのであれば、お寺や神社の体験もしていただけたら、という感じです。「これをやらなきゃいけない」「こうしなければ怒られる」と怖がらなくても大丈夫ですよ。
── (ホッ…)よかった…怒られないんですね。ありがとうございます!
◼︎ PART 2:サウナvs宿坊。「ととのい」の違いとは? 好奇心という新たな快感。

── 僕は週8でサウナに通っていたんですが、サウナって「熱波と水風呂の強制リセット」みたいな感じじゃないですか。もし堀内さんが、宿坊での体験をサウナの「ととのい」に例えるとしたら、どんな種類の快感なんでしょうか?
堀内氏:そうですね…。宿坊は「好奇心がすごく刺激される」場所だと感じています。
── 好奇心、ですか!?
堀内氏:はい。ホテルならある程度形式が統一されていますが、宿坊は行って何があるかわからないことが多いんです。それが面白い。建築に興味を持ったり、庭を見たり、朝のお勤めに参加したり、座禅や写経をしたり…。精進料理だって、お肉だと思っていたものが実は生麩だったと知って驚いたり。
── (ゴクリ…)なるほど…。
堀内氏:安らぎを求める人もいれば、お坊さんとの話、仏像、御朱印など、人によって興味の対象も違います。「一人一様の楽しみ方」ができるのが宿坊の魅力なんです。
◼︎ PART 3:レジェンドが語る「なぜ人はお寺でやすらぐのか?」の核心

── それにしても不思議なのは、お寺に行くとなぜこんなにも心が落ち着くんでしょうか?レジェンドは、その理由をどうお考えですか?
堀内氏:そうですね。やはり、そこが昔から多くの人に「大切にされてきた場所」だからではないでしょうか。
── 大切にされてきた場所、ですか。
堀内氏:ええ。仏様や神様に向き合い、多くの人が祈りを捧げたり、悩みを打ち明けたりしてきた場所です。そういう場所だからこそ、日常から切り離された特別な空気が流れていて、訪れる人の心持ちも自然と変わり、やすらぎにつながるんじゃないかという気がします。
── なるほど…。何百年もの間、人々の想いが積み重なってきた場所だからこそのパワーなんですね。すごく納得がいきました。
◼︎ PART 4:レジェンドのベスト「やすらギまる」体験は「朝のお勤め」にあった!

── レジェンドは宿坊以外にも、滝行など様々な修行をされていますよね。その中で、最も「やすらギまった=やすらいだ」と感じた体験はどんなものですか?
堀内氏:うーん、色々ありますが、やっぱり宿坊での体験に戻りますね。特に「朝のお勤め(朝、神仏の前でお経を唱えたり、礼拝したりする儀式のこと)」はすごくいいなと思っています。
── 朝のお勤め、ですか!
堀内氏:はい。日中よりも静かで、少しひんやりとした朝の空気の中で、本堂でお経を聞く。そうやって一日を始めると、心がすごく落ち着いて、いつもと違う心持ちになれる気がします。
── (感動)…実は僕も、たまたま参加した朝のお勤めで今までにない感覚になったことがあって…。レジェンドも同じように感じていたなんて、嬉しいです!
◼︎ PART 5:初心者への金言。レジェンド流「失敗しない宿坊の選び方」

── お話を聞いていて、僕も俄然、宿坊に行ってみたくなりました! でも、いざ探すとなると迷子になりそうで…。
堀内氏:はい。
── そこで、レジェンドにこれだけは聞きたい! 僕みたいなド素人が「初めての宿坊」を選ぶとき、失敗しないための「黄金ルール」を教えてください!
堀内氏:うーん、一つだけなら…「何か1個だけ、やりたいテーマを決めること」ですかね。
── えっ!テーマですか?
堀内氏:そうです。「座禅がしたい」「美味しい精進料理が食べたい」「お坊さんと話したい」など、何か一つでも目的があると、それができる宿坊を選べばいいので、失敗が少なくなりますよ。
── (驚き)…なるほど!普段の旅行だとテーマなんてあんまり考えないですが、宿坊だからこそ「何をするか」が大事なんですね!これは目からウロコでした。
◼︎ PART 6:レジェンドが見据える、「寺活」の未来図

── 今日は本当に発見だらけでした…。最後に、未来の話を聞かせてください。これからの時代、宿坊を含めた僕たちの「寺活」は、どんな風になっていくと思いますか?
堀内氏:そうですね。僕としては、「初めての人でも気楽に入れるお寺」が増えていくといいですね。
── 初めての人でも気楽に、ですか?
堀内氏:はい。フラッと入ってお参りできたり、座禅ができる場所。そうやってお寺が人々の生活の中に自然に溶け込んでいけば、忙しい日常からちょっとホッとできる時間が持てて、多くの人の生活が豊かになるんじゃないかと思います。
── 僕も、近所のお寺の朝のお勤めに参加するだけで、深くやすらいだ経験があります。そういう場所が増えたら最高ですね!
堀内氏:ええ、お寺にとっても、そういう場をつくることは重要だと思って、いろんなお坊さんと話をしています。
── レジェンド、今日は本当にありがとうございました! 僕も、すぐにどこかの宿坊予約したくなりました! テーマは「美味しい精進料理」で!
【編集後記】
レジェンドの言葉には、25年以上、寺活界隈を先導してきた経験に裏付けられた重みがあった。 宿坊は決してストイックな修行の場ではない。現代人が忙しさの中で、忘れてしまった「好奇心」や「静寂」、そして人々の祈りが積み重なった「場」への敬意を感じられると同時に、「やすらギまる」究極のエンターテイメント空間なのだ。
サウナで「ととのう」のも最高だが、お寺でより深い「心のやすらぎ」を体験してみるのも悪くない。
さあ、皆さんもレジェンドの教えを胸に、今年は宿坊へ泊まってみてはいかがだろうか!
文・KENLOCK(寺イク?)
編集・KENLOCK(寺イク?)